- パートナーとの関係性をよくしたい
- 子供との接し方に悩んでいる
- 親、パートナーとよく喧嘩をしてしまう
あなたは日常生活の中で、他人との関係に悩んでいませんか?特に、恋愛や親子関係において、相手の行動や感情に振り回されることはないでしょうか?そんな時、選択理論心理学を学ぶことで、自分自身の内面と向き合い、より良い人間関係を築く手助けになるかもしれません。今回の記事では、人間関係が良くなる考え方ができるようになる、選択理論心理学についてまとめました。
選択理論心理学とは?
選択理論心理学は、アメリカの心理学者ウィリアム・グラッサーによって提唱された理論です。
この理論の中心には「人は自分の選択で行動する」という考え方があります。私たちは外的な要因や他人の行動に影響されることなく、自分自身の内的な欲求を満たすために選択を行っているというのです。特に、人間関係においては、相手の行動をどう受け止めるかが重要なポイントになります。
自分自身の内的な欲求とは?
1. 生存の欲求:食べる、飲む、安全を確保するなど、生きていく上での基本的な身体的欲求です。
2. 愛・所属の欲求:他者と繋がりたい、愛されたい、グループに所属したいという欲求です。人間関係や社会的なつながりに関する欲求です。
3. 力の欲求:達成感、承認、貢献、競争などに関する欲求です。自分の能力を認められたい、影響力を持ちたいという欲求が含まれます。
4. 自由の欲求:自分で選択したい、自分らしくありたい、束縛されたくないという欲求です。自己決定や独立性に関する欲求です。
5. 楽しみの欲求:喜び、楽しさ、満足感を得たいという欲求です。遊びや趣味、新しい経験などに関する欲求が含まれます。
これらの欲求は、以下のような特徴を持っています:
- 全ての人が持っている欲求ですが、その強さや満たし方は個人によって異なります。
- 欲求の強弱や優先順位は、個人の経験や環境によって変化する可能性があります。
- これらの欲求を満たすイメージの集合体を「上質世界」と呼び、人はこの上質世界に近づくように行動を選択します。
選択理論では、人間の行動は外部からの刺激に対する反応ではなく、これらの内的な欲求を満たすために自ら選択したものだと考えます。つまり、行動は内発的に動機づけられているという考え方です。
この理解は、自己理解や他者理解を深め、より良い人間関係や効果的な自己管理につながる可能性があります。例えば、マネジメントの場面では、部下の強い欲求を理解し、それに合わせた動機づけを行うことで、より効果的なリーダーシップを発揮できる可能性があります。
外的コントロールと内的コントロールの理解
外的コントロールとは、他人や環境によって自分の行動や感情が左右されることを指します。例えば、恋人の言動に一喜一憂したり、親の期待に応えようとするあまり自分を犠牲にするような行動がこれに当たります。
一方、内的コントロールは、自分の感情や行動を自分自身の意志で決定することを意味します。この内的コントロールを強化することで、他人に振り回されることなく、自分の意志で人間関係を築くことが可能になります。以下に、より詳しくまとめました。
外的コントロールと内的コントロール(内発的動機づけ)の違い
- 人間の行動は外部からの刺激に反応して起こると考えられます。
- 他人の行動をコントロールできるという思い込みがあります。
- 批判、責め立て、脅すなどの「7つの致命的習慣※1」を使います。
- 人間関係を損なう可能性が高いです。
②責める:問題や失敗の原因を相手に考えます。例:「あなたのせいでこうなったんだ」
③不快を言う:不満や不快感を直接表現します。例:「うるさい!」「まずい!」「不快」
④ガミガミ言う:同じことを繰り返し言い続けます。例:「何度言ってもわかるの?」「聞いてるの?わかってるの?」
⑤恐れる:望む行動を強制するために、恐怖や不安を与えます。例:「〇〇しないと×するからね!」
⑥罰する:望まない行動に対して罰を与えます。例:「晩ご飯抜き」「暇カット」「廊下に立って言ってください」
⑦ほうびで釣る:望む行動を引き出すために報酬を提案します。 例:「××できたら、〇〇買ってあげる」
これらの習慣の背景には、「自分が相手をコントロールできる」という間違った考えがあります。しかし、このような行動は相手との関係を疎遠にし、相手の理解と協力を得ることを恐れる結果を招きます。
選択理論では、これらの習慣を認識し、代わりに相手を支援し、励まし、傾聴するなどの「7つの思いやりの習慣※2」を実践することを推奨しています。このアプローチにより、より良い人間関係を築くことができるとされています。
- 人間の行動は内側から動機づけられていると考えられます。
- 自分で判断し、最善だと思う行動を選択します。
- 外的な報酬がなくても、内部から意欲を引き出すことができます。
- より良い人間関係を築くことができます。
選択理論では、「他人を変えることはできない。変えられるのは自分だけ」と考えます。内的コントロールを重視し、「支援する」「傾聴する」「受け入れる」などの「7つの関係を確立する習慣※2」を実践することで、より良い人間関係と組織を築くことができるとされています。
励ます:相手の努力や進歩を認め、前向きな姿勢を持つよう頑張ります。
傾聴する:相手の話に真剣に耳を傾け、理解しようと思います。
受け入れる:相手があるがままに受け入れ、判断せずに理解しようとします。
信頼する:相手を信頼し、相手の能力や判断を尊重します。
尊重する:相手の価値観や意見を尊重し、尊重します。 違いを
交渉する(歩み寄る):意見の相違がある場合、お互いの立場を冷静に、点を見出そうとします。
これらの習慣は、相手をコントロールするのではなく、相互理解と協力を促進することを目的としています。これにより、より健全で満足度の高い人間関係を築くことができます。
このような習慣を日常的に実践することで、職場や家庭、友人関係など、あらゆる人間関係においてより良好なコミュニケーションと関係性を構築することができます。
人間関係における選択理論心理学の応用
自己理解を深めること
まず最初に、自己理解を深めることが重要です。自分が何を求めているのか、何が自分を不快にさせるのかを正確に知ることが、より良い人間関係の第一歩です。日記をつけたり、自己分析を行ったりすることで、自分の内的欲求を明確にすることができます。
コミュニケーションの質を向上させる
次に、コミュニケーションの質を向上させることが大切です。選択理論心理学では、相手との関係を築くためには、自分の感情やニーズを率直に伝えることが重要だとされています。また、相手の意見を尊重し、理解しようとする姿勢も必要です。こうしたコミュニケーションを通じて、お互いの関係を強化していくことができます。
恋愛における選択理論心理学
自己の価値を認識する
恋愛において自己の価値を認識することが重要です。相手に依存するのではなく、自分自身の価値に気づくことで、健全な関係を築くことができます。自分の趣味や友人関係を大切にし、相手との関係においても自分を大切にする意識を持ちましょう。
境界線を設ける
恋愛関係においては、境界線を設けることも重要です。相手の感情や期待に応えようとするあまり、自分を犠牲にするような関係は避けなければなりません。自分が快適に感じる範囲を明確にし、相手にもそれを理解してもらうことが大切です。
親子関係における選択理論心理学
親としての自己理解
親として、まず自分の価値観や期待を理解することが大切です。子どもに対する期待が過剰になると、子どもはそのプレッシャーに押しつぶされてしまうことがあります。自分の気持ちを見つめ直し、子どもに対してどのように接したいのかを考えることが重要です。
子どもの選択を尊重する
子供にはこうなってほしい、こんなふうに育ってほしいという、親の願望がつきものです。しかし、子供は親の思い通りにはなりません。そのことを理解することが大切です。
子どもが自分の選択をすることを尊重する姿勢を持ちましょう。親が子どもの選択を否定することなく、受け入れることで、子どもは自己肯定感を育むことができます。親子関係をより良いものにするためには、対話を通じてお互いの意見を尊重し合うことが不可欠です。
まとめ
選択理論心理学を通じて、自分自身の内面と向き合うことで、より良い人間関係を築くことができます。外的コントロールに振り回されず、内的コントロールを強化することで、自分の価値を認識し、健全な関係を築くことが可能になります。
恋愛や親子関係においても、自己理解やコミュニケーションの質を向上させることが、より良い関係の構築に繋がるでしょう。あなたも、自分の選択を大切にしながら、より良い人間関係を築いていきましょう。