引き算美容

人間の肌は、皮脂を出したり、セラミドやコラーゲンを作り出すなど、自分の力で潤うことができます。

しかし、年齢、ストレス、生活環境、食生活、間違ったスキンケアなど、さまざまな原因で、その力が衰えてしまうと、乾燥、乾燥小じわ、炎症、かゆみなどの肌トラブルを引き起こします。

肌が乾燥すると、たっぷりの化粧水やコテコテのクリームを塗りたくなるかもしれませんが、それでは根本的な解決にはなりません。

今回は、年齢とともに乾燥しやすくなった、肌が敏感になったと感じている方のために、40代〜始める引き算についてお話しさせていただきます。

肌力が衰える6つの原因

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まずは、肌力が衰える原因を6つにまとめました。

①やり過ぎスキンケア

肌の力が衰える原因の一つは、やり過ぎなスキンケアがあります。

①洗い過ぎ
②つけ過ぎ

ファンデーションやコンシーラーなど、肌をキレイに見せようとして塗りすぎると、洗浄力の強いクレンジングや洗顔料が必要になります。

クレンジング&洗顔料の使いすぎで、肌に必要な油分も洗い流されてしまいます。さらに、肌表面にあり、肌の潤いに必要な皮膚常在菌のバランスも乱れ、肌トラブルを引き起こす原因になります。

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②ストレス

人間はストレスを受けると、血液の循環が悪くなり、肌の内部が冷えます。

肌内部の冷えは、微弱炎症を引き起こします。微弱炎症は、慢性的に起こり、潤いに必要な「セラミド」や「コラーゲン」などの成分が作られなくなります。

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微弱炎症は、バリア機能を低下させて、敏感肌や乾燥小じわの原因となっています。

③紫外線

紫外線には、UV-A波、UV-B波、UV-C波の3種類があります。

このうちUV-A波は、肌の奥の真皮層まで届きます。真皮層では、コラーゲンやエラスチンなどの生成が行われます。

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この真皮層がダメージを受けると、肌のハリや弾力を作るコラーゲンやエラスチンなどの生成がされなくなります。主に深いシワの原因です。

また、紫外線ダメージは、前述した微弱炎症の原因にもなるため、紫外線はシミの原因になるだけでなく、乾燥、乾燥小じわ、敏感肌の原因にもなります。

④食生活の乱れ

ダイエットのために油を減らしたり、お肌のコラーゲンなどの材料となるタンパク質が不足している、糖質の摂り過ぎ、お酒の飲み過ぎなど、食生活の乱れも肌力が低下する原因です。

また、腸内環境とお肌の関係は密接に繋がっているため、腸内環境の乱れも肌の乾燥を引き起こす原因です。

⑤女性ホルモンバランスの乱れ

40代後半から50代にかけて、女性は閉経を迎えます。

そのため、エストロゲンの分泌が低下します。

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エストロゲンは、お肌の潤いに欠かせない女性ホルモンなので、不足することで、肌の潤いが足りなくなります。

年齢に関係なく、若い女性でもストレスや食生活の乱れなどで、女性ホルモンのバランスが乱れると、肌トラブルを起こしやすくなります。

閉経は誰しも迎えるものなので、加齢による女性ホルモンの不足は仕方がありません。その分、女性ホルモンと似た働きをしてくれるイソフラボンを含んだ大豆製品などを摂取することをおすすめします。

また、最近一般的になってきたフェムケアもおすすめです。

⑥寝不足

日中に紫外線や乾燥によるダメージを受けた細胞は、夜寝ている間に修復されます。

睡眠時間が少なかったり、睡眠の質が悪かったりすると、ダメージを受けた細胞の修復がされず、細胞が衰えていきます。

細胞が衰えると、潤い成分を作り出す力が低下します。

肌力を上げて自ら潤う肌になる引き算美容

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40代、50代と年齢を重ねてくると、増えてくるのが肌の悩み。

シミ、シワ、たるみ、毛穴の開きなど、気になる肌悩みに対して、美容液を買い足してみたり、美顔器を使ってみたりと、何かと足し算してしまいがちですが、潤う肌になるためにも、まずは引き算してみませんか?

①ファンデーション

シミやシワを隠すための汗にも強い厚塗りファンデーションはやめませんか?

汗にも強く、メイク崩れしにくいファンデーションは、専用のクレンジングが必要だったり、洗浄力の強いクレンジングを使って、メイク落としをする必要があります。

洗浄力の強いクレンジングには、石油由来の合成界面活性剤が含まれています。合成界面活性剤は、台所用洗剤にも使われていて、しつこい油汚れも簡単に落とせます。

そのため、お肌に必要な皮脂も洗い流してしまい、肌を乾燥させてしまいます。

カバー力は衰えますが、石鹸で落とせるミネラルファンデーションやオーガニックコスメのUVミルクなどがおすすめです。

肌を隠すのではなく、素肌美を磨いていきましょう。

②クレンジング

ファンデーションを石鹸で落とせるものに変えると、自然とクレンジングは必要なくなります。

アイメイクをしている目元は、溝にメイクが残りやすいため、軽くクレンジングをすることをおすすめしますが、全体的にクレンジングを止めることで、乾燥を防ぐことができます。

目元のクレンジングは、オイル系がおすすめです。クリームやジェル系のクレンジングに比べて、肌に乗せるだけで、メイク汚れが浮いてくるので、肌への負担を減らすことができます。

③朝洗顔

毎朝、洗顔していますか?

オイリー肌だったり、夏場で起きた時に、皮脂でベタベタしている肌の場合は、洗顔することをおすすめしますが、そうでなければ、朝洗顔をやめてみましょう。

冷た過ぎない水、またはぬるま湯で洗うくらいで十分です。

お肌の状態を確認しながら、洗顔の必要性を見極めましょう。

④化粧水

化粧水を止めるって、抵抗ある人も多いでしょうね。

肌に乗せて、すーっと浸透する化粧水、実は肌のバリア機能を壊して浸透させるように作られています。

そのため、化粧水でバリア機能が低下して、乾燥している場合もあります。

さらに、エタノールなどのアルコール系の成分は、水分を蒸発させるため、乾燥肌、敏感肌の方にはおすすめできません。

化粧水を止めることに抵抗がある方は、温泉水、ハーブウォーターなどシンプルな「水」を化粧水として使ってみましょう。

⑤クリーム

肌に塗るとつるんと潤うように感じるクリーム。肌本来が潤っているのではなく、シリコーン系の界面活性剤が配合されているためです。

シリコーン系の界面活性剤は、肌表面を薄いビニールで覆って、潤っているように感じさせられているだけです。

本来、肌は皮脂が足りないと、脳に指令が伝わり、皮膚は皮脂を分泌させようとします。しかし、洗顔後、化粧水、クリームと塗って、シリコーン系界面活性剤で肌が覆われると、脳は潤っていると勘違いして、皮脂を出さなくてもいいという判断をしてしまいます。

そのため、自分の肌で潤う力を失っていきます。

今まで、シリコーン系界面活性剤配合のクリームを使っていた人が使うのを止めると、肌が乾燥したと感じると思います。

急に止めるのではなく、夜だけは、植物性オイルやスクワランオイルで潤いを閉じ込めるようにして、シリコーン系界面活性剤配合のクリームは、朝だけ使うようにしてみましょう。

朝使うメリットは、肌表面がつるんとするので、メイクのりがよくなります。夜は、肌細胞が生まれ変わる時間なので、肌の機能を邪魔しないために、使用を止めることをおすすめします。

まとめ

今回の記事では、

肌力が衰える原因
肌力を上げて自ら潤う肌になる引き算美容

この2点をお伝えしました。

今までしてきたことを止めることに、抵抗があると思いますが、少しずつでもできることから始めてみてください。

朝洗顔を止めることは、始めやすく、結果も出やすいので、ぜひ取り入れてみてください。

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【参考文献】
化粧品成分表示かんたん読み方手帳/久光一誠著
化粧水やめたら美肌菌がふえた!/出来尾格著